営繕かるかや怪異譚 小野不由美著
2017年 07月 05日
小野不由美の現代ものホラー小説。
十二国記の新作が出ないまま
「残穢」「鬼談百景」に続いて出た本。
くそぅと思いながらも
楽しく読ませて頂きました。
連作短編になってて、
それぞれの家の怪異を「営繕」して
解決するっていう物語で、
ひどく現実的で合理的な方法!
(営繕・・・リフォーム的な)
一般に除霊とかお札とかそういうのを使うんだろうけど、この本に出てくる営繕屋は
現象のことわりを理解して、どうやり過ごすかを考えてくれる。
共存や解放の方法を取ってて、斬新で面白い!!
がやっぱり、心霊現象の起こるホラー作品。
最後は住人も異形のモノもハッピーに救われると判っててもコワイ!
特に怖かったのは1話目「奥庭より」と3話目「雨の鈴」。
凄惨だし、迫りくる恐怖がたまらない。
最終話「檻の外」が可哀想で切ない。
舞台となってる場所はどこかなぁと想像する。
はじめ京都かと思ったけど、海辺の城下町だと判って、違うなぁ。
イメージ的には倉敷なんだけど、あってる??
倉敷城って今は無いんだよね。
カバーイラストは「蟲師」の漆原さん、装丁は祖父江慎さんと豪華!
カバーイラストには物語のうち5つが描かれているよ!
by sasha-moon | 2017-07-05 15:50 | 本・マンガ