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はだか嫁・紅ぎらい(献残屋はだか嫁始末) 蜂谷涼 著   

はだか嫁・紅ぎらい(献残屋はだか嫁始末) 蜂谷涼 著_e0080346_15262212.jpg面白くて一気読みした!
男性かと思いきや
女性作家、蜂谷涼作品。

将軍家・大名・旗本に贈られる贈答品の
余りモノを下取りしてリサイクルする
献残屋「仙石屋」。
はだか嫁と言う言葉は
嫁入り道具一つ持たずに
裸一貫で望まれて嫁入りしたという意味らしい。
先代女将の おりきにその器量を気に入られ
ぜひにと嫁入りした おしの。
しかーしこの夫となる運平が
とんでもなくぐうたらで、女好き。
10年子が出来なくて悩んでいた折、
夫運平は余所に愛人(醜女で性悪でふてぶてしい)をこさえて子供まで生まれたから、もう大変!

おしのは仕事に必死なのに、夫は余所で遊んでばかりの中
引き取り、養子にした愛人の子「力平」が
おしのを「おかっちゃま」と慕って寄り添ってくれるのが救い。
しかし夫運平は、先代夫婦に勘当されていたのに、
大地震によって愛人と二人目の子と暮らす家が倒壊。
愛人もろとも 元妻おしのと先代夫婦(両親)の居るお店に転がり込んでくる始末。
他人ばかりに囲まれたお店の中で、主人公 おしのの胸中は・・・(涙)。

また、おしのの一生懸命で実直な仕事ぶりは成功し、
将軍・家慶さま(ふふw)の7番目の側室・お琴の方さまに気に入られ、
大奥に出入りするようになる展開も面白い!
しかし、お琴の方も4人の子を授かったのに、乳飲み子のままみんな夭折されてしまう。
その心境や。
そして家慶さま亡き後のお琴の方の行く末は・・・。

源氏物語の女性達を髣髴とさせる男と女の性(さが)や
女のプライド・嫉妬・悲哀などなど、
女性作家ならではの深みのある骨太のエンターテイメントになっている。
最終巻(たぶん)の「紅ぎらい」のエンディングでハッピーエンドになるので
安心して読んで欲しい。

by sasha-moon | 2014-11-19 15:55 | 本・マンガ

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