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「雪まろげー古手屋喜十為事覚えー」宇江佐真理著   

「雪まろげー古手屋喜十為事覚えー」宇江佐真理著_e0080346_14195169.png古手屋シリーズ続巻。
1話目からなんともやるせない
哀しい結末のお話になった。
父親が死に、母親は6人の子供を抱え
生活がとうとうやりきれなくなって
酒におぼれ、娘を売った後
長男に「捨吉をどこかへ捨てておいで」
と、末の息子を押し付ける。
長男がとった行動が・・・。

古手屋を営む喜十夫婦の元で
すくすく育つ拾い子の捨吉を中心に
進む今巻。
最終話では、始めに売られた長女除く
次男以降4人が
喜十や同心・上遠野によって救い出され、
ようやく生きてゆける落ち着き先が見つかった。
彼らの今後の交流や成長が楽しみになった所で、
著者の筆が絶たれた事は、本当に残念。 
もっと読みたかった。

5話目の「鬼」の章は、雑誌連載時に読んでいたのだけど、
江戸当時、まだ医学的知識が乏しかった中での、
重度のアトピー性皮膚炎の為の
ステロイドの調達方法がすごかった。
宇江佐さんの博学ぶりと取材力の確かさに、
なかなかこんな時代小説家は少ないよね、と思う。

by sasha-moon | 2017-07-07 14:40 | 本・マンガ

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